2008年11月アーカイブ

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さて、2日目。
順路は下記の通り。
17→18→20→1→2→3→4→8→5→6→7
→9→10→11→12→13→14→15→16

前夜はドリフト族の騒音で眠りを妨げられたが、山形の後輩いわく「新宿は眠らない街かもしれませんが、山形は眠る街なんです」の言葉通り (なのか) 30分程度で去ってくれ、その後は寒さも気にならず熟睡。朝、テントのしずくを拭き取るのに手間取りながらも、7時過ぎに17番札所に。

18番札所、1日目にまわり損ねた20番札所をお参りして1番札所へ。
1番札所は中心街から近いせいか連休のせいか参拝客が多かった。参拝後、見晴台があるとの事で立ち寄ってみたが枝が邪魔で見張らせず。ご朱印は、これまでは差し替え方式 (納経の際、バインダー式のご朱印帳から各寺の台紙を渡して、かわりにあらかじめご朱印されている台紙と交換する) で済ませてきたが、1番札所ではその方式は通じずというか拒否され、帳面ひとつひとつに書いてもらうことに。何寺かは同じように書いてもらってたが、せっかくなので的な意味合いが強かったと思う。書いてもらうのは慣れてるし構わないが、見本品を買った日下さんの帳面には1番札所の台紙に「見本品」という紙がのり付けされていたため、それをはがすのに一苦労、したのはお寺さんの人だが。はがすのに困った住職がマンガのように両手の指先で頭を掻いていたので、失礼ながらも遠巻きにちょっと笑ってしまった。

2番札所。
山寺の大駐車場に車を止め、参道を通ってお寺に向かう。山門近くの案内図を見る限り、山寺の境内にはお堂が多く、我らが目指す観音堂がどれになるか不明。また闇雲に1時間も登るわけにもいかないので、本堂らしきところで観音堂の場所を聞くと最上の2番札所はここじゃなく、車でもっと先に行ったところ、との事。山寺見学も兼ねての2番札所参拝と考えていたが、2日目でまわりきれそうな雰囲気と時間のロスを考えると、見学をあきらめ、2番札所へ直行。2番札所は車で10分も行かないところにあった。参道の途中には線路が走っていて、踏切もない線路をまたぐ快感を味わう。よく言われる話だろうが、まさにスタンド・バイ・ミー。お約束ごとにように線路に耳を当ててみたが、振動はなかった。でも線路に対するイメージは裸の大将の方がでかいかな。

5番札所は芋煮のシーズンのため、駐車場が大混雑。仙台の芋煮は味噌ベースに豚肉、山形は醤油ベースに牛肉と違いはあるが、芋煮はやはり芋煮。芋煮をしてる人を羨ましく眺めながら参拝。参拝後、犬の散歩中らしきおばさんズに話しかけられる。じいさんばあさんの霊場巡りはよく見かけるが、若い人が参拝、しかも白衣を着ての参拝だったので、珍しかった模様。しばし話し込んでの別れ際に「まわるとどんなご利益が?」との質問に「観音様なので何でも」と答える。たとえ利己的なご利益を求めての参拝だったとしても、きっかけは何であれ、自分が生まれ育った日本の文化に興味をもって、実際に触れてみるのは好ましい事だと思う。あとはその経験を生かすも殺すもその人次第ではなかろうか。

10番札所。
上ノ山温泉内にあるのだが、日下さんは友人がこの辺に住んでいるらしく、一度上ノ山の公衆浴場に来たことがあるそうな。お寺さんはその浴場のほんの目と鼻の先にあるのだが、そういえばお寺さんがあったかも、程度の記憶。そういう話はよくあって、例えば京都の清水寺。誰でも知ってる寺だと思うが、実は西国三十三観音霊場のひとつだったりする。個人的にも修学旅行でも行ってるし、小旅行でも何度か訪れていたが、西国の霊場と知ったのは、霊場巡りを始めてからの話。に限らず、家の近くの寺が実はどこかの霊場のひとつだったり、え、ここに寺があったの?的な話はよく聞く話でもある。例えば、のぼりが立ってたので寄ってみたんですが、霊場があったとは全く知りませんでした、とか。地元といえども何でも知ってるわけではない。知識と興味、それと探究心があれば、何でもない日常も楽しく過ごせそうだ。

12番札所。
駐車場が数台分しかなく、やむなく路中。軽い山登りの道を高橋さんと何となく争って登る。20代女性との競争に負け軽いショックを覚えた。数年後高橋さんが30代になったらリベンジしようと思う。最上義光ののぼりの話題が出たのはこのお寺さんだったと思う。後から山形人に聞いたら来年の大河ドラマ「天地人」の最上義光ですよ、と当然のように言われる。「もがみよしみつ (正しくは「よしあき」) 」って誰?と話をしてた我々にはピンと来ない話だった。仙台でいえば伊達政宗的な人なのだろう。そういえば、どこかのお寺で、昔は伊達と最上で争ってなあ、最上がうまくいってれば、今頃は...と口惜しそうに話をしてたっけ。それにしても近いようで遠い山形だ。ほんと知らないことが多い。

当初、2泊3日の予定だったが、どうやら1泊2日で済みそうと確信したのは1日目が終わってから。2日目の午前中までは余裕かと思っていたが、道に迷ったなんだかんだで時間のロスが多く、昼過ぎには危ないかもと思い始める。3日目があればまた温泉に入れるし山形を満喫出来るので、それも悪くないが、1、2寺を残すぐらいなら2日で回りきりたい。なので、昼食は車中で済ませ、午後から急いで回ることに。

14番札所。
この頃は日も暮れかけて、完全に残り時間を気にしながらの参拝。急ぐ参拝は四国で慣れっこだったが、みんなの台紙を持ってご朱印所に行った高橋さんが5分、10分経っても戻ってこない。高橋さんの前にご朱印所に行ってる人も戻ってこない。はてどうしたものかと様子を見に行ったところ、別当所の方がひとつひとつ丁寧にご朱印をしていたためのようだった。急いではいたが、(おそらく) 檀家さんが善意でご朱印をしてくれてる、そして、流れ作業的にではなく丁寧にご朱印をしている、そんな風景をみて何か微笑ましい気持ちになった。

結願寺となった16番札所。
16番札所が最後になったのはほんの偶然。後から気付いたことだが、1日目の宿泊地からごくごく近かったため、2日目は16番札所から回った方が効率が良かったのだが、お寺さんで配布しているパンフでは宿泊地とお寺さんのページが別だったため近いことに気付かず、結局最後にまわることに。参拝後、住職と少々談話。また12年後にお参りに来なさいね、と納め札をいただく。無住の寺ではこうはいかない、やはり何かの縁なのだろう。

お寺さんを出ると外は完全に日が落ち、時計をみればご朱印所が閉まる10分前の17時50分。無事結願出来てほっとひと安心。の後はやっぱり温泉。無難に「天童最上川温泉 ゆぴあ」に入浴。ついでで何だが、良い機会だと数年前に亡くなった山形の先輩の仏前に手を合わせて、その後は山形の同輩、後輩と宴会し、この年の巡礼ツアーは無事終了。山形は車で1時間もかからないぐらい近いけど、意外と知らないことが多かったし、ご飯や温泉、観光も楽しめて、想像以上に楽しい巡礼ツアーでした。来年は一応四国をまわる予定。1年まわらなかっただけで何か損した気分だが、地方霊場巡りも悪くないかな。
次は御府内が目下の目標。

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